修正回数は何回まで?追加料金トラブルを防ぐ業務委託契約書の作り方

パソコンでデザインを修正するフリーランス・クリエイターと修正指示のイメージ

デザイン制作やイラスト制作、動画編集、Web制作、ライティングなど、フリーランス・クリエイターの仕事では「修正」が発生することは珍しくありません。

しかし、修正について事前にルールを決めていないために、

「何度も修正を求められて作業が終わらない」

「最初の依頼とは別物になってしまった」

「追加料金を請求したいが、依頼者から納得してもらえない」

といったトラブルになるケースがあります。

修正は作品の完成度を高めるために必要な工程ですが、回数や範囲にルールがないと、フリーランス側だけが際限なく負担を負う結果になりかねません。

この記事では、修正に関するトラブルが起こる理由や、契約書で定めておきたいポイントについて分かりやすく解説します。


目次

なぜ修正トラブルは起こるのか

修正トラブルの多くは、お互いに悪意があるからではありません。

依頼者は「完成するまで修正してもらえるもの」

と考えている一方で、

受注者は「軽微な修正を数回行えば納品できる」

と考えていることがあります。

つまり、お互いの認識が異なったまま仕事が始まってしまうことが原因です。

特に口頭やメール、チャットだけで仕事を受けた場合は、

「そんな約束はしていない」

という話になりやすく、解決が難しくなります。


「修正」と「追加制作」は違います

実務では、この違いを明確にしておくことが非常に重要です。

例えば、ロゴ制作を依頼されたケースを考えてみましょう。

完成したロゴについて、「文字を少し大きくしてほしい」「色をもう少し明るくしてほしい」

このような要望であれば、通常は修正の範囲と考えられます。

一方で、「まったく別のデザインで最初から作り直してほしい」

「キャラクターも追加してほしい」

「ロゴだけの予定だったが名刺も作ってほしい」

といった要望は、当初予定していた作業とは異なります。

これは「修正」ではなく、新たな制作依頼と考えられる可能性があります。

この区別を契約書に記載しておくことで、不要なトラブルを防ぎやすくなります。

「修正」と「追加制作」の違い

修正にあたりやすい例

  • 文字の誤字脱字を直す
  • 色味を少し変更する
  • 文字サイズを調整する
  • 配置を少し整える
  • 表現を一部だけ変更する

当初の依頼内容の範囲内で、完成度を高めるための調整です。

追加制作にあたりやすい例

  • 最初から別案を作り直す
  • 予定になかったページを追加する
  • 新しいイラストを追加する
  • 動画の尺を大幅に延ばす
  • 当初と異なる用途で使う

当初の依頼内容を超える作業であり、追加料金の対象になりやすい内容です。

ポイントは、「最初に合意した仕事内容の範囲内かどうか」です。契約書では、どこまでを無料修正とし、どこからを追加制作として扱うのかを明確にしておくことが大切です。


修正回数を決めるメリット

修正回数を契約で決めることには、多くのメリットがあります。

例えば、

  • 修正が際限なく続くことを防げる
  • 作業時間を見積もりやすくなる
  • 納期の遅れを防ぎやすい
  • 依頼者も修正内容を整理して伝えやすくなる
  • 追加料金の基準が明確になる

もちろん、案件によっては柔軟な対応が必要な場面もあります。

しかし、「柔軟に対応すること」と「無制限に対応すること」は別の話です。

双方が安心して仕事を進めるためにも、あらかじめ基準を決めておくことが大切です。


契約書で決めておきたいポイント

修正に関する契約条項では、少なくとも次のような内容を定めておくことをおすすめします。

① 修正回数

例えば、「初回案提出後、2回まで」

「納品前まで3回まで」などです。

回数を決めるだけでも、お互いの認識が一致しやすくなります。


② 修正の範囲

どのような変更を修正として扱うのかを明確にします。

例えば、

  • 色の変更
  • 文字修正
  • レイアウトの微調整

などは修正とし、大幅なデザイン変更や仕様変更は追加業務として取り扱うことを定めておく方法があります。


③ 追加料金

契約書には、「契約で定めた回数を超える修正」

「仕様変更による追加作業」

については、別途協議の上、追加報酬を支払う旨を記載しておくと安心です。

これにより、「無料で対応してもらえると思っていた」

という認識違いを防ぐことができます。


④ 修正依頼の期限

納品後、何か月も経ってから修正を依頼されるケースもあります。

そのため、「納品後7日以内」「検収期間内」

など、修正を受け付ける期間を決めておくことも有効です。


⑤ 納期の変更

修正が繰り返されると、当初予定していた納期に間に合わなくなることがあります。

契約書には、「依頼者による修正指示があった場合は、その内容に応じて納期を延長できる」

という規定を設けておくと、受注者だけが責任を負う事態を避けやすくなります。


チャットだけのやり取りでは証拠が不十分なことも

近年は、SNSやチャットアプリだけで仕事が進むことも増えています。

もちろん、チャットのやり取りが証拠になる場合もあります。

しかし、

  • 修正回数
  • 修正範囲
  • 追加料金
  • 納期変更

といった重要事項まで具体的に取り決められているケースは、それほど多くありません。

また、やり取りが長くなると、「どこまで合意していたのか」を後から確認することも難しくなります。

契約書を作成しておけば、仕事を始める前に双方の認識を整理できるため、トラブルの予防につながります。


契約書は依頼者との信頼関係を築くためのもの

「契約書を出すと相手に失礼ではないか」

と感じる方もいるかもしれません。

しかし、契約書は相手を疑うためのものではありません。

仕事の内容や条件をお互いに確認し、安心して業務を進めるための共通ルールです。

むしろ、条件が明確になっていることで、依頼者も安心して仕事を任せることができます。

トラブルが起きてから話し合うよりも、仕事を始める前にルールを決めておく方が、双方にとって大きなメリットがあります。


まとめ

修正回数や修正範囲を決めないまま仕事を始めると、

  • 修正が終わらない
  • 想定以上の作業量になる
  • 追加料金を請求しにくい
  • 納期に間に合わない

といった問題が発生する可能性があります。

こうしたトラブルの多くは、契約書であらかじめルールを定めておくことで防ぐことができます。

契約書は、万が一の紛争に備えるだけではなく、仕事を円滑に進めるための大切な道具でもあります。

フリーランス・クリエイターとして安心して仕事を続けるためにも、自分の業務内容に合った契約書を準備しておくことをおすすめします。


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