離婚を考えている方からよくいただく相談の一つが、「面会交流をどのように決めればよいのかわからない」というものです。
「月に何回会えばいいの?」
「宿泊はさせても大丈夫?」
「子どもが会いたくないと言ったら?」
「再婚したら面会交流は終わるの?」
このような疑問や不安を抱えている方は少なくありません。
離婚後は夫婦ではなくなりますが、親子の関係は変わりません。子どもにとって父親や母親はかけがえのない存在です。そのため、面会交流について十分に話し合い、将来のトラブルを防ぐための取り決めをしておくことが大切です。
この記事では、面会交流の基本的な考え方と、離婚時に決めておきたいポイントについてわかりやすく解説します。
面会交流とは?
面会交流とは、離婚や別居によって子どもと離れて暮らす親が、子どもと定期的に会ったり、電話やオンライン通話、手紙などで交流したりすることをいいます。
面会交流の目的は、親の権利を守ることではありません。
最も大切なのは、**子どもの健やかな成長と福祉(幸せ)**です。
子どもが安心して両親とのつながりを持ち続けられることは、精神的な安定にもつながると考えられています。
面会交流は必ずしなければならない?
面会交流は、基本的には子どもの利益になる場合に実施されます。
そのため、次のような事情がある場合には、面会交流が制限されたり、実施されなかったりすることもあります。
- 子どもへの虐待があった場合
- 子どもへの重大な暴力や精神的虐待があった場合
- 子どもが強く拒否している場合
- 面会交流が子どもの心身に悪影響を及ぼすおそれがある場合
つまり、「必ず実施しなければならない」というものではなく、常に子どもの利益を最優先に判断されます。
離婚時に決めておきたい内容
「毎月会うことにします。」
この程度の約束だけでは、後になって認識の違いからトラブルになることがあります。
そこで、できるだけ具体的に決めておくことが重要です。
例えば、次のような内容を決めておくと安心です。
① 面会の頻度
- 月に1回
- 月に2回
- 夏休み・冬休みは別に実施する
など、できるだけ具体的に決めます。
② 面会する日時
「毎月第2日曜日の午前10時から午後4時まで」
など、具体的に定めておくと予定が立てやすくなります。
毎回話し合って決める方法もありますが、その場合は「双方が協議して決定する」と定めておくとよいでしょう。
③ 引き渡し場所
意外とトラブルになりやすいのが、子どもの受け渡し場所です。
例えば、
- 駅
- ショッピングセンター
- 学校
- 保育園
など、具体的に決めておくことで余計な争いを防ぐことができます。
④ 宿泊の有無
日帰りだけなのか、宿泊を認めるのかも重要なポイントです。
宿泊を認める場合は、
- 年に何回までか
- 連泊は可能か
- 宿泊先を事前に伝えるか
なども決めておくと安心です。
⑤ 学校行事への参加
運動会や学芸会、卒業式などへの参加についても話し合っておくと、当日になって揉めることを避けられます。
⑥ プレゼントや誕生日
誕生日やクリスマスのプレゼントを認めるかどうか、どのような方法で渡すかを決めておく家庭もあります。
⑦ オンライン面会
最近では、仕事や遠距離などの事情から、ビデオ通話を利用する家庭も増えています。
「月2回は直接会い、それ以外はオンライン面会を行う」
といった取り決めも有効です。
「子どもが会いたくない」と言った場合は?
子どもの意思はとても大切です。
ただし、年齢や判断能力によって、その意思の重みは異なります。
また、一時的な感情なのか、継続した意思なのかも慎重に考える必要があります。
一方の親が子どもに対して相手の悪口を言い続けるなど、子どもの気持ちに影響を与えているケースもあります。
子どもの本当の気持ちを尊重しながら判断することが大切です。
再婚したら面会交流は終わる?
結論からいうと、親が再婚したことだけを理由に面会交流が自動的に終わることはありません。
面会交流は、元夫婦の関係ではなく、子どもと親との関係を大切にするための取り決めです。そのため、監護親や非監護親が再婚したとしても、それだけで面会交流がなくなるわけではありません。
もっとも、再婚によって子どもの生活環境が変わることはあります。新しい家族との生活が始まったり、子どもの年齢や生活リズムが変化したりすることで、これまでどおりの方法では難しくなる場合もあるでしょう。
そのような場合には、
- 面会の頻度を変更する
- 面会場所を見直す
- オンライン面会を取り入れる
など、子どもの利益を最優先に考えながら、双方で話し合って面会交流の方法を見直すことが大切です。
また、子どもが再婚相手と養子縁組をした場合でも、面会交流が当然に終了するわけではありません。個々の事情や子どもの意思、福祉などを総合的に考慮して判断します。
「事情が変わったらどうする?」
子どもの成長とともに生活環境は変化します。
- 小学校へ入学した
- 部活動が始まった
- 習い事が増えた
- 引っ越した
このような事情があれば、面会交流の方法を見直すこともあります。
そのため、
「子どもの成長や生活環境の変化に応じて、双方協議のうえ見直す」
という条項を入れておくと、柔軟に対応しやすくなります。
離婚協議書や公正証書に記載しておくことが重要です
口約束だけでは、
「そんな約束はしていない」
「聞いていない」
という争いになってしまうことがあります。
離婚協議書や公正証書に具体的な内容を記載しておけば、お互いの認識の違いを防ぎ、後々のトラブルを減らすことにつながります。
特に、面会交流だけでなく、養育費や財産分与などの重要な取り決めも併せて書面に残しておくことが大切です。
面会交流で最も大切なのは「子どものため」という視点
離婚後は、どうしても夫婦間の感情が残ることがあります。
しかし、面会交流は元配偶者のために行うものではありません。
子どもが安心して成長できる環境を整えるためのものです。
「相手に会いたくない」という気持ちだけで面会交流を拒否したり、「子どもに会いたい」という親の気持ちだけを優先したりするのではなく、常に子どもの利益を第一に考えることが大切です。
まとめ
面会交流は、離婚後の親子関係を支える大切な取り決めです。
曖昧な約束のまま離婚してしまうと、後になって「聞いていた話と違う」「約束を守ってもらえない」といったトラブルにつながることがあります。
離婚時には、頻度や日時だけでなく、受け渡し場所や宿泊の有無、学校行事への参加方法なども含めて、できるだけ具体的に取り決めを書面に残しておくことをおすすめします。
子どもの幸せを第一に考えた面会交流の取り決めは、離婚後の安心につながる大切な一歩です。
面会交流の取り決めでお困りの方はご相談ください
小川たけひろ行政書士事務所では、離婚協議書や離婚公正証書の作成サポートを行っています。
面会交流については、ご家庭ごとの事情やお子さまの年齢、生活環境によって適切な内容が異なります。
「どのように取り決めればよいかわからない」「将来トラブルにならないように書面を作成したい」という方は、お一人で悩まずお気軽にご相談ください。
当事務所では、お客様のお話を丁寧に伺い、一人ひとりの状況に応じた適切な取り決めをご提案いたします。
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